こんにちは。
コロナウィルスの影響で外出時はマスクを着用するのがマナーになりましたね。私が働くスポーツクラブでも運動時のマスク着用を基本としており、さらには街中でマスクを付けたランナーをチラホラ見かけたりもする今日この頃です。
マスクを着用して運動するのは着用なしより当然の事ながら息苦しいわけですが、着用して運動をする事によって、運動の効果はどう変わるのかというのが気になるところ。確かに体感的に苦しい運動をすれば、より高い運動効果が得られそうな気はしますねえ。マスクと運動効果の関係性の研究もチラホラ行われているようですので、少し調べてみました。
まずはマスク着用の運動によって実際に身体の負担は高くなるのか?という研究。シューズブランドを展開する「株式会社ストライド」という企業により行われておりました。マスク着用の運動が単に体感としてキツイというだけでなく、身体が酸素を取り込む量を計測することで実際に身体の負荷が高くなっているのかを調べてくれています。
こちらはまあ、当然の結果と言いますか、マスク着用での運動は酸素を取り込む量が低下して身体の負担は高くなる。という結果だったようです。そこで本題の「身体の負荷が高くなるなら運動の効果も高くなるんじゃないの?」って話に入ります。
少し話が脇道にそれますが、アスリートのトレーニング法で「高地トレーニング」というものがありまして、酸素の濃度が薄い高地でトレーニングすることにより、酸素を摂取する能力、酸素を体内で運搬する能力の向上が期待できるため、長距離ランナーなどが取り入れるトレーニング法です。なんでもシドニー五輪の女子フルマラソン金メダリストの高橋尚子選手も取り入れていたとか。
話は戻りまして、マスクを着用して息苦しい状態で運動することで、この高地トレーニングに近いトレーニング効果があるんじゃないの?と考えたくなるところであります。
しかし、この考えは後述の記事でバッサリ切られておりました。どうもマスクによって取り入れる酸素の量そのものを制限するのでは、高地などの酸素濃度が薄い状態でトレーニングをするのと同じ効果は期待できないようです。
カロリー消費量なんかも気になる方は多いと思いますが、運動によるカロリー消費は大半が筋肉の伸張と収縮の繰り返しによって発生するものなので、呼吸がキツくなるからといって全身運動の消費カロリーはそれほど上がらなそうですねえ。
とはいえ、マスクによって呼吸の量を制限することで、肺がより強く働く必要があるため、長期的には心肺機能を向上させる効果が高くなる可能性はあるようです。この辺はまだ研究期間が短いんで断言できなそうですが、ロードレースなんかに参加されるランナーの方には朗報ですね。
そんなわけで現状の見解では、マスク着用の運動はそれほど効果に良い影響を与える事は少なそうという残念な状況のようです。これから暑い季節になって屋外での運動は熱中症リスクなんかも高くなりますので、マスク着用して運動する場合は特に体調に気をつけてムリのないように運動して頂ければと思います。
今回の参考記事はコチラ
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