abneyのカラダマガジン

フィットネスインストラクター油田 豪(あぶた ごう)がダイエットや健康について語っていきます。

「菜食主義は不健康」というのをヴィーガンが自ら証明してしまった件

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こんにちは。

 

こんなニュースを見つけまして

news.nifty.com

タイトルだけ見るとヴィーガン(完全な菜食主義者)の方が魚料理を食べて炎上したっていうだけのニュースなんですが、記事をよく読んでみると、少しだけ根が深い問題かなと思いました。

 

このヴィーガンの方、ヴィーガン生活を6年ほど続けていたそうですが、2年ほど前から体調が悪くなっていたようで、この方いわく、「生理が来なくなっていて、常に貧血気味で、甲状腺ホルモンが低レベルである」との事でした。

 

本人はプラントベーストダイエット(植物性食品しか食べない事)が原因ではないと主張しているようですが、どうも菜食主義者の方に出やすい症状のようなんですよね・・・。

 

女性の性周期に関しましては、色んな要素がありまして一概に食生活の影響が全てではないものの、良質な脂質が不足すると性周期が乱れやすかったりします。

 

植物性食品のみでも脂質は摂れるんですが、どうしても魚なんかを食べない人に比べ、オメガ3系脂肪酸と呼ばれる良質な脂質が不足しがちなものです。

 

また、「貧血には鉄分!」っていうのはみなさんもご存知かと思いますが、鉄分には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類がありまして、非ヘム鉄はヘム鉄に比べてかなり吸収率が低いため、どうしても動物性食品を食べない方は貧血リスクが高くなってしまうのですね。

 

そして甲状腺の問題。「そもそも甲状腺って何なの?」って方のためにざっと説明すると、甲状腺ってのは首の前側の下部にある内分泌器官でして、ここから分泌されるホルモンは身体全体の代謝を活性化してエネルギーを産生してくれる、ダイエットなんかにおいても超重要な器官です。

 

以前、ダイエットをする際の摂取カロリーは基礎代謝を下回らないようにするという記事を書きましたが、摂取カロリーが基礎代謝を下回ると、甲状腺が激しくダメージを受けたりしますので、この点においても必ず摂取カロリーは基礎代謝を上回るようにしたいところ。

www.abney.fit

 

話は戻りますが、実は甲状腺の機能を阻害する食材なんかもありまして、それが大豆とアブラナ科の野菜、ブロッコリーやケールなんかですね。

 

大豆に含まれる「イソフラボン」やアブラナ科の野菜に含まれる「ゴイトロゲン」は甲状腺の機能を低下させてしまうんです。大豆やブロッコリーなんかは身体に良いイメージがありますので、ちょっと意外に思われるんじゃないでしょうか。

 

しかしこの話、ちょっと落とし穴的なものがありまして、大豆もアブラナ科の野菜も、常識的な量を食べるならそれほど問題はないんですよ。毎日納豆1~2パックとか、ブロッコリー100~200g程度なら問題ないかと思います。

 

ここで問題なのはヴィーガンの方。動物性食品を摂らないため、タンパク質が不足しがちなんですよね。このブログでは何度も書いていますように、タンパク質は身体にとっての超重要栄養素です。

 

植物性食品で身体に必要なタンパク質を摂取しようと思ったら、大豆をガンガン食べる(体重60kgの方なら納豆で言えば毎日10パック以上)しかなかったりしますし、量的な満足を得ようと思って野菜をたくさん食べたらゴイトロゲンの摂取量なんかも増えていくんじゃないかと思います。

 

結果、植物性食品のみの食生活ってのは甲状腺にダメージを与えやすいですし、前述のように良質な脂質や鉄分の不足からくる性周期の乱れや貧血なんかにも繋がっていきやすいですね。

 

実際、ヴィーガンの健康問題にはこんな論文もありまして。

www.ncbi.nlm.nih.gov

ざっくり要約しますと、肉を食べない人はビタミンB12が不足して、結果、血管の老化に繋がっていきますよっていう話です。

 

という事で、野菜は食べた方が良いんですが、美容や健康、ダイエットにもやっぱり肉や魚を食べた方が良いというお話でした。

 

ちなみに宗教上の理由なんかで肉を食べない方は否定しません。信仰は人それぞれだと思いますので。

 

では。

 

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