こんにちは。
少し前ですが、ダイエッター達の間で「ベジファースト」なるものが流行りまして。「食べ順ダイエット」とも呼ばれていたりしたんですが、ご飯やパンなどのいわゆる「主食」よりも野菜を先に食べる事で食べたものを脂肪に変えにくくするダイエット法ですが、今回は、実際にこれは効果があるのかって話です。
なぜ主食を後回しにすると食べたものが脂肪に変わりにくいという理論なのかと言いますと、そのポイントは「血糖値」。人間は食べ物を食べると血糖値が上がりまして、その血糖値を下げるために近年、一般的に知れわたってきた「インスリン」というホルモンが働いてくれます。
このインスリンが働いて血糖値を下げる時に血液中の糖質を脂肪に変換して脂肪細胞に引き込んでしまうという流れでして、血糖値の上がり方が急なほど、インスリンがガッツリ分泌されて血液中の糖質を体脂肪に変える働きが強いなんて言われております。
そして、白米やパン、麺類などの糖質が多く食物繊維の少ない食品を空腹時にいきなり食べると血糖値が急激に上がり、インスリンの分泌が多くなり、太りやすくなってしまうという仕組み。逆に野菜を先に食べることにより、血糖値の急上昇を防ぎ、太りにくくなるとのこと。
ベジファーストで痩せる理論はこんな流れのようです。全くの眉唾とまでは言いませんが、気になる所はありまして。
まずは、このブログでも何度か書いておりますが、人間にとって体脂肪ってのは基本的にエネルギーの貯蔵庫なんですよ。身も蓋も無いような話ではありますが、摂取するエネルギーが過剰になれば食べ順をどんなに気をつけようと、余ったエネルギーは体脂肪に変わってしまうわけです。
また、「野菜を先に食べると血糖値の上昇が穏やかになる」という話。これ自体は間違いではなく、野菜類に多く含まれる食物繊維は食べた物の体内への吸収がゆっくりにし、血糖値の上がりも穏やかだったりします。
ところが、実際の食事でそんなに吸収のタイミングに差をつけられるかは疑問なんですよねえ。人間が食べた物は、食道を通って胃にたどり着き、消化、吸収を始めとする様々な代謝が起きるわけですが、実際に食事をして野菜を先に食べたとして、食べた野菜が代謝される前に、その後に食べた白米なりパンなりが胃に届いて一緒になるんじゃないかなー・・・なんて思うわけです。逆に白米なんかを先に食べた場合もしかり。
そう考えると、きちんとしたレストランでのコース料理の話ならわかるんですが、定食屋やらで小さな小鉢に入った野菜サラダみたいなものを先に食べることにそんなに意味があるかは微妙ですね・・・。
とはいえ、食べ順ダイエットに全く効果がないかというと、そう言い切ることもできなく、食物繊維は食事の満足感を感じやすくさせてくれるため、先に食べておく事で、その後に「食べ過ぎを防ぐ」効果はあるかと思われます。
先述した定食屋の食事なんかでは使えませんが、自宅で食事をする際に、「あるものを際限なく食べてしまう」場合だったり、居酒屋であったり、ビュッフェ形式の食事なんかの場合には、野菜を先に食べておけば、食べる量をある程度は抑えられるかと。もっともダイエットしてる人が居酒屋やビュッフェでの食事をする機会がそんなにあるかはわかりませんが・・・。
ちなみに食事の楽しさが激減するんであまりオススメはできませんが、食事量を減らすテクニックとしては、食事前にプロテインを飲んでおくと、食物繊維以上に満足感があるため、どうしても食事量が減らせない方は試してみてはいかがでしょうか。
そんなわけで、食べ順にこだわるよりかは、食べる物の質と量にこだわった方が遥かにダイエットは捗ると思います。食べ順の話は、食事の量を減らすプチテクニック程度に思ったほうが良さそうですね。
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