abneyのカラダマガジン

フィットネスインストラクター油田 豪(あぶた ごう)がダイエットや健康について語っていきます。

「味の素」は身体に悪いのか問題

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こんにちは。

 

今回は「うま味調味料」につきまして。有名な商品で言えば「味の素」ですね。近年ではだいぶ減ってきたんですが、「味の素は身体に悪い」みたいな説がありますんで、今回はコチラを紐解いていこうかと。

 

「味の素は身体に悪い説」は、1970年頃に中華料理店で食事をした人が健康被害を訴え、それを調査した科学者が、中華料理に使われているグルタミン酸ナトリウム(味の素の主成分)が健康被害の原因であるという医学論文を発表したのが発端。

 

その研究によりますと、マウスに体重1kgあたり、0.5gのグルタミン酸ナトリウムを投与すると、約半分のマウスは神経細胞の損傷が起こり、投与する量を1gに増やすと、全てのマウスにその現象が起きたとのことです。

 

ここまで書くと、味の素は健康に悪そうなイメージですね。

 

ただ、冷静に考えてみて頂きたいんですが、体重1kgあたり1gって相当な量なんですよ。マウスだとイメージしにくいかも知れませんが、私の体重が現在75kgくらいなんですが、私が体重1kgあたり1gの味の素を摂取しようと思ったら、一般的に販売されている、あの赤いキャップの容器を丸々1本飲んでも足りないわけです。(味の素の瓶1本の容量は70g)仮に摂取量0.5グラムだとしても瓶の半分以上の量になりますね。

 

それだけの量の調味料を摂取したら、それが味の素でなくとも身体に悪影響が起こるのは当然かと思います。実際に近年の研究では、一度に3g程度までなら問題はなさそうという結果がいくつか出ております。味の素を使ったことがある方ならご存知かもしれませんが、3gでも結構な量です。

 

また、「味の素」は「化学調味料」なんて呼ばれていた時期もあり、「人工物だから健康に悪い」の様に、なんとなくのイメージで敬遠してしまう方もいるようですが、そもそも先述した、味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウム。この原料であるグルタミン酸は自然界に普通に存在する成分で、昆布などに含まれております。グルタミン酸と結合しているナトリウムはミネラルの一種で、同じく自然界に存在し、身体には適量必要な栄養素。

 

味の素にはグルタミン酸ナトリウム以外にも、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムといった成分が使用されていますが、イノシン酸は鰹節など、グアニル酸は干し椎茸などに含まれており、どちらも自然界に存在する成分です。人工物だから身体に悪いという事もなさそうですね。

 

余談ですが、昔は味の素の原料に石油が使われていまして、石油に含まれるタールは確かに様々な健康被害が懸念されるので、その話を知って味の素を敬遠している方もいるかも知れません。しかし現在では、サトウキビの搾り汁から砂糖を精製した後の糖を発酵させて作られているとのこと。原料の心配もそれほどする事はなさそうです。

 

そんなわけで、味の素の健康被害を心配する必要は無さそうですね。というか、発酵させた調味料なら、むしろ腸内環境が良くなるんじゃないかとさえ思います。常識的な量で使用する分にはむしろオススメなくらいです。ただ、ごくまれにグルタミン酸ナトリウムが体質に合わない人もいるようなので、体調をチェックしながら摂取すると良いかと。まあこの辺は卵や小麦粉なんかもしかりですね。

 

 

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